NPO法人|森をたてようネットワーク

アファンの森訪問 >>>


2004年8月6日(金)に、ニコル氏自らが育んでいらっしゃる長野県上水内郡信濃町にありますアファンの森へ森をたてようネットワーク理事長の石出が訪問させていただきました。その時の様子をほんの一部ですがご紹介させていただきます。

 

↓写真をクリックすると拡大いたします。

ニコル氏が石出に手渡しているのは、後ろに横たわっている巨木の破片です。中身がぎっしり詰まっているということで見てみると、年輪の幅がなんと1ミリ~2ミリという非常に密な状態でした。年輪の間隔は、育った時の環境によって大きくも小さくもなります。年輪の幅が狭く一定の間隔だということは、気温が温かく、湿度が十分にある環境で育ったということ。

今では静かに横たわっているこの巨木も、さまざまな昆虫や菌類、幼虫の命の源として新しい役目を担っています。

 

ニコル氏と森の守り人 松木信義氏にご案内いただきながらアファンの森を散策いたしました。松木氏は身振り手振りを交えながら森について色々なことを教えてくださいました。

松木氏の指差す方向には4~5年前に植えました桜の木があります。

きっと春には美しい桜色の花をつけ、あたり一面にいい香りを漂わせることでしょう。

 
こちらの写真は松木氏より笹について説明していただいているところです。笹は切っても切っても生えてくるという石出の話に、松木氏は腰をおろし、右手の先にある笹を見せてくれながら、笹は切る時期が肝心で、このくらいの時期に切り取ると生えてこなくなるんです、と教えてくれました
 

こちらは大学の先生が研究をしているという池での一枚です。

池のほとりに立たずみ、たくさんのことをニコル氏に問いかけています。石出が指を指して先には湧き水の噴出し口があるようです。

この池には鳥たちが舞い降り、水中には魚をはじめ、たくさんの生物が生き生きと生活していることでしょう。

 

静まりかえった森で、動物たちの命の営みを感じながら、火を見つめて音楽鑑賞を行う場所。

ニコル氏は、時間を見つけてはこの場所に来てハーモニカを吹いているそうです。

火を灯す際は、森に住む動物たちを驚かせないよう石塀で囲み共存しています。

1980年代、樹齢を重ねた森の木々が次々に切り倒されたり、、川はコンクリートのせいで変わり果て、湿地はゴミで埋め立てられ・・・・そのような状況にニコル氏は心底絶望していたそうです。その時期に、生まれ故郷の英国ウェールズを訪ね、森を再生にかける人々の努力と情熱を目の当たりにし、自分も彼らにならって心から愛する日本のために力を尽くそうと、心に決めたとのこと。

日本に戻ったニコル氏は、長野県黒姫の土地を買い始め、隣接する土地を少しずつ、少しずつ買い足していったのです。大半は農地としていったんは開墾され、その後放置された土地。きちんと手入れをしていなかったため、ひょろひょろの木ばかりが生えていたところや、びっしりはびこった下草、伸び放題のツル植物のせいで森は窒息寸前だったのです。丈夫でまっすぐな木が育つように森の間伐を行い、十分な陽の光が当たるようにしました。今後も森の再生のためにさらに知識を深めて、木々質量ともに向上させていくつもりだそうです。